月亭方正独演会  2019年4月 ②月亭方正の落語に涙する人が続出する

皆さん、こんばんは。

 

今日も前回の続きで、4月19日に兵庫県立芸術文化センターで行われました「月亭方正独演会」の後編です。

 

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会場(中ホール)入り口付近に置かれていた提灯。落語会らしい演出。

 

中入り(なかいり)前の最後は、月亭八光さん 。

月亭八光さんは皆さんご存知だと思いますが、月亭方正さんが弟子入りした月亭八方師匠の息子さんです。

私の後ろに座っていたお客さんは「何するんやろ?フリートークだけかな?」と言っていました。(私も「え、そうなの?やっぱり落語できないのかな??」と心の声。)

 

たしかに八光さんもフリートークがありました。

「皆さん、月日の経つのは早いですね。結婚した頃はスカートが風でめくれても『キャー』みたいな感じだった嫁がですよ、今では家の中でパンツ一丁なんですよ。今、嫁の体重結婚してからMAXなんですよ!プラス25キロなんですよ!うちの家もうクーラー入ってるんです。どう思いますか?」(たしかにこの頃はまだ涼しかった。)八光さんの奥さんの志乃さんは関西ではわりと有名人で、会場盛り上がる!

「もう今年も4月ですよ。年をとると時間が経つのが早く感じますよね。大学の教授でなぜ年をとると時間が経つのが早く感じるのか研究されている教授がいらっしゃって、取材に行ったことがあるんです。そしたら、子供は初めて経験することが多いので、喜怒哀楽の感情が豊かで、一つ一つ感動するので一日時間が経つのが遅いそうです。大人になると経験していることばかりなので、喜怒哀楽の感情が湧かなくて、感動がないので時間が経つのが早いそうです。その教授によればですよ。だから皆さん、今日家に帰って「今日どこ行ってた?」と家族に聞かれて、「なんか落語聞きに行っててん。感想ないな。誰が落語やってたか忘れた。」みたいにならないで下さいね。」会場、なるほど~といった感じ。

「それから月亭一門のトップだった月亭可朝師匠がお亡くなりになられましてもう1年経ちましてね。月亭可朝師匠、昔一度選挙に出られたことがあったんですよ。その時の公約が2つありましたね。一つ目は一夫多妻制の導入、二つ目は銭湯の男湯と女湯の敷居の廃止。これで8万票、票が集まりましてね。8万票ですよ。世の中にはスケベェがたくさんいるんやな〜ってその時思いました。そんな人が月亭一門のトップだったんですよ、月亭ってね〜。」 会場またまた大爆笑!!

 

そして落語は「堪忍袋」。

ある町で喧嘩ばかりしている夫婦がいる。そこに仲裁に入った人からある助言を受ける。それは堪忍袋という袋を布で縫って、袋の口をしばれるようにする。その堪忍袋の中に、相手への不満を言うとスッキリするというもの。不満を言った後は口をしばる。

「ブクブクブクブク太りやがって~、この馬鹿ヤロー。」と夫。

「ちょっと、袋貸して。何よアンタなんか、全然面白くないくせに。ただの親の七光りなだけやのに~。この大馬鹿ヤローー!」と妻。

この堪忍袋はスッキリする、効果が絶大ということで、町中の噂になる。町中の多くの人が貸して欲しいと言って使用し、堪忍袋のスペースがあまりなくなってしまう。

そこへ隣町から一人の女性が、堪忍袋をどうしても貸して欲しいということで、やって来る。嫁姑のが仲が良好と言われている、お嫁さんの方である。

そこでそのお嫁さん、堪忍袋に向かって、「このくそババが、~。。。。」

 

さて結末はいかに・・・?である。

 

この月亭八光さんの落語、家族のいざこざが題材で誰もが経験がある様な内容だったので、ものすごく盛り上がりました。また、落語の夫婦喧嘩の言葉が八光さん夫婦の言葉なんですフリートークの一部を落語に使うなんて、すごい粋だな~と思いました。そして会場は抱腹絶倒でした。

そしてオチもなるほどな~!と感心しました。

 

ここで、10分程の中入り(休憩)。

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そして、トリはもちろん月亭方正さん。

落語の前に、「ここで、皆さんにお知らせがあります。中入りの間に僕の本が2冊売れました。皆さん、こう考えてみましょうか~。今日、駐禁とられたと思いましょうか~。」会場またまた大爆笑。

 

そして落語「妄馬(めかうま)」。

こちらも江戸時代のお話し。 熊五郎(くまごろう)という大工の男性。その男性にはお鶴という妹がいる。お鶴は美人であったため、お殿様のそばめ(めかけ)になる。そして、お殿様の子供を産んだという話しが町中に広まる。お殿様は子供が生まれたことをたいそう喜んでいるということで、熊五郎は城へ招かれる。その時熊五郎は母からお鶴への伝言を預かる。

そして、熊五郎は少々荒くれ者の世間知らずでお城の中で破天荒なふるまいをするも、お殿様に気に入られ、熊五郎も母もお城で暮らすことが許される。

しかし、熊五郎はそれを断り、母からの伝言を伝え、お鶴は涙するというお話し。

 

これは、すごかったです!というのも熊五郎という主人公が破天荒で、それを方正さんが演じると面白くってほとんど笑いっぱなしなんです。それが最後の方でお鶴が泣くシーンがあるのですが、実際にお鶴の台詞はなく、「お鶴泣いてるんか?」という熊五郎の台詞と熊五郎の表情で客側はお鶴が泣いていることがわかります。この方正さんの台詞と表情で、先程まで笑いぱなしだった会場がシーンと静まりかえるんですそして、静まるだけではなく私も含めて多くの客がもらい泣きするんですこんなに人間笑っていた次の瞬間泣けるのか・・・という位です。「もう落語の終了部分なので泣いたらまずい、明るくなるので恥ずかしい。」と思うのですが、泣かずにはいられませんでした。

 

独演会終了後、感動のあまり駐禁をとられてしまったことは言うまでもありません。

 

 

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買ってしまった手ぬぐい(左)と本(右)。

 

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本日もつたない文章を最後までお読み頂き、ありがとうございました。